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2026年11月8日

管理会社への不満を3つに仕分け|大家の管理替え判断の順番

「なんとなく不満」のままだと動けない

親から引き継いだアパート、本業のかたわらで持っている区分マンション。管理会社に任せているけれど、どこか釈然としない。連絡が遅い、空室がずっと埋まらない、請求書の中身がよく分からない──そんな状態で何年も過ぎてしまう大家さんは珍しくありません。

不満が動きにつながらない一番の理由は、不満の正体が言葉になっていないことです。「対応が悪い」と感じていても、それが担当者個人の問題なのか、会社の体制の問題なのか、そもそも契約に含まれていない業務を期待しているのかで、取るべき行動はまったく変わります。

この記事では、不満を仕分けして整理し、「伝えて改善を待つ」のか「管理会社を替える」のかを自分で判断できるところまでを順に見ていきます。

  • 不満は「対応」「募集」「お金」の3つに仕分けすると原因が見えやすい
  • 契約書に書かれている業務かどうかで、伝え方が変わる
  • 管理替えを考えるかどうかの分かれ目は「改善の意思が見えるか」
  • 解約は予告期間があるため、思い立ってすぐには切り替わらない
  • 相続・兼業の大家は「自分が動ける時間」を前提に判断する

不満を3つに仕分けして書き出す

管理会社への不満を対応・募集・お金の3つに仕分けして整理する図

まずやっていただきたいのは、感じている不満を紙でもスマホのメモでもいいので書き出し、次の3つに分けることです。種類によって、相手に伝えるべき内容も、改善にかかる時間も違います。

①対応の不満(連絡・報告・入居者トラブル)

電話がつながらない、折り返しが来ない、入居者からのクレームを後から知る、報告書が届かない。こうした不満は記録に残しやすいのが特徴です。いつ連絡して、いつ返事が来たか。日付と内容をメモしておくと、感情ではなく事実として伝えられます。

当社がオーナーさまからご相談を受ける中でも、「空室が続いても管理会社が何をしてくれているのか見えない」という声は多く聞きます。報告がないこと自体が不満の中心になっているケースです。

②募集の不満(空室が埋まらない)

空室が長引いているとき、原因が管理会社の動きにあるのか、物件そのものにあるのかは、分けて考える必要があります。両方が重なっていることも多いためです。

  • ポータルサイトに掲載されているか、写真は何枚あるか
  • 写真が暗い、ぼやけている、室内が片付いていない状態で撮られていないか
  • 間取り図が手書きや白黒のまま更新されていないか
  • 物件の強み(設備・立地・周辺環境)が文章で書かれているか
  • 家賃・敷金・礼金が近隣の似た条件の物件と大きくずれていないか

これは大家さん自身が、入居希望者として検索して確かめられます。自分の物件を検索してみて、他の物件と並んだときにどう見えるか。ここで違和感があれば、それは具体的に伝えられる不満です。

③お金の不満(手数料・修繕費・不明な請求)

毎月の送金明細に、覚えのない項目が入っていないか。修繕の見積もりが相見積もりなしで進んでいないか。空室の部屋にも管理費がかかっていないか。

金額の妥当性は物件や地域によって幅があるため一概には言えませんが、何の費用か説明を求めて、納得できる答えが返ってくるかは確かめられます。説明を避けられる、あるいは曖昧にされる場合、それ自体が判断材料になります。

契約書を読み直す──期待と契約のズレを確認する

不満を書き出したら、次は管理委託契約書を開いてください。意外に思われるかもしれませんが、不満の一部は「契約に含まれていない業務を期待していた」ことから生まれています。

確認したいのは次の点です。

  1. 委託している業務の範囲(集金、入居者対応、建物管理、募集はどこまでか)
  2. 管理手数料に含まれる業務と、別料金になる業務の線引き
  3. 報告の頻度と方法(毎月か、年1回か、書面かメールか)
  4. 解約の予告期間と、解約の申し入れ方法
  5. 更新のタイミングと、自動更新の有無

たとえば「共用部の清掃をしてくれない」と感じていても、契約上は清掃が別契約だったということがあります。逆に、契約に書かれている報告が実際には届いていないなら、それは明確に履行されていない部分です。

契約に書かれていることが守られていないのか、書かれていないことを求めているのか。この区別が、次の一手を決めます。

相続で引き継いだ物件の場合、契約書が手元にないことも少なくありません。その場合は管理会社に写しを請求してください。応じてもらえないようであれば、それも一つの判断材料になります。

伝えて改善を待つ場合の進め方

契約に書かれている業務が守られていない、あるいは募集のやり方に改善の余地がある。そう整理できたなら、まずは伝えることから始めます。管理替えには手間も時間もかかるため、改善で済むならそのほうが負担は小さく済みます。

口頭ではなく、書面かメールで残す

電話で伝えると、言った言わないになりやすく、社内でも共有されにくくなります。メールで「いつまでに」「何を」お願いしたいのかを書いて送ると、記録が残り、対応の有無もはっきりします。

要望は具体的な行動に落とす

「もっと頑張ってほしい」では動きようがありません。

  • 「写真を撮り直して、10枚以上掲載してほしい」
  • 「毎月末に、問い合わせ件数と内見件数を報告してほしい」
  • 「次の修繕は、2社以上の見積もりを見せてほしい」

このように、相手が実行できる形まで分解します。

期限を決めて、変化を見る

伝えたあと、何も変わらないまま時間だけが過ぎるのが一番もったいない状態です。「次の報告までに変化がなければ他社にも話を聞く」と自分の中で区切りを決めておくと、判断が先送りになりません。

管理会社の対応に疑問を感じている段階での考え方は、管理会社の対応が悪いと感じた大家へ|管理替えの分かれ目(当社のブログ記事です)でも整理しています。

管理替えを検討する段階の見分け方

伝えても動かない、説明を求めても返ってこない。そうなったとき、管理替えを具体的に考える段階に入ります。判断の軸になるのは「改善の意思が見えるかどうか」です。

状況 考え方
要望を伝えたら、期限や担当者を決めて返事があった 結果が出るまで様子を見る余地がある
返事はあるが、毎回「検討します」で止まる 並行して他社の話を聞いてよい段階
連絡そのものが返ってこない 契約の履行状況から見直す段階
費用の内訳を説明してもらえない 契約書と明細を突き合わせて確認する
空室の理由を「家賃を下げるしかない」としか言われない 他の打ち手が検討されているか確認する

特に最後の項目は、当社にご相談いただくオーナーさまからよく伺う内容です。家賃を下げる前に、写真・掲載・設備・清掃など試せることが残っている場合もあります。当社では、プロカメラマンによる物件写真の撮影や物件専用ホームページの制作を、管理をお任せいただくオーナーさま向けに無料で行っています。実際に、長期空室だった物件で写真とホームページを整えたところ反響が増え、1か月で満室になった事例もあります(※結果は物件の立地・状態により異なります)。

管理会社の動きに疑問があるときの確認点は、管理会社が何もしてくれない!そのままで大丈夫?大家が確認すべき4つのポイントにもまとめています。

管理替えの実務──解約から引き継ぎまで

管理会社変更の手続きの流れを示したフロー図

管理会社を替えると決めても、翌月から切り替わるわけではありません。段取りを知っておくと、見通しを立てやすくなります。

解約の予告期間がある

管理委託契約には解約予告の定めがあり、3か月前予告となっている契約が多く見られます。契約書の解約条項を確認してください。予告期間があるため、「今すぐ替えたい」と思っても、実際の切り替わりまでには相応の時間がかかります。

手続きの流れ

  1. 新しい管理会社と条件を相談し、委託内容を決める
  2. 現在の管理会社に解約を申し入れる(書面が一般的)
  3. 入居者への通知、家賃振込先の変更案内
  4. 敷金・契約書・鍵・図面などの引き継ぎ
  5. 新しい管理会社での管理開始

手続きが面倒そうに見えますが、多くの部分は新しい管理会社が代行します。当社の場合、オーナーさまにお願いするのは解約書類へのご署名で、現管理会社とのやり取りや入居者への連絡手続きは当社が代行します。契約から管理開始までは通常3か月程度で、その期間中に撮影やホームページ制作を進め、管理開始日に向けて募集を動かしていきます。

引き継ぎで抜けやすいもの

  • 入居者ごとの契約書原本と更新履歴
  • 敷金・保証金の預かり状況
  • 鍵の本数と保管場所
  • 設備の保証書、修繕履歴
  • 消防設備や貯水槽などの点検記録

これらが揃っていないと、後々の対応で手間が増えます。引き継ぎのリストを作って、確認しながら進めると抜けにくくなります。

相続・兼業の大家が特に確認したいこと

本業を持ちながら、あるいは相続で急に大家になった方の場合、判断の前提が専業の大家さんとは違います。

自分が動ける時間を前提にする

平日の日中に現地へ行けない、入居者からの電話に出られない。そうした状況であれば、管理会社にどこまで任せる必要があるかが変わります。「安いから」ではなく「自分が関われない部分を埋めてくれるか」で見るほうが現実的です。

物件の状態を一度自分の目で見る

相続後、一度も現地を見ていないというケースもあります。共用部に蜘蛛の巣が張っている、ポストにチラシが溜まっている、ゴミ置き場が散らかっている──こうした状態は内見者の印象に直結します。管理会社への不満を整理する前に、物件が今どういう状態かを把握しておくと、話が具体的になります。

見落としやすい収益源も確認する

駐車場が空いたままになっていないか、使われていないスペースがないか。空室ばかりに目が向きがちですが、こうした部分も収支に関わります。駐車場についてはアパートの駐車場、空いたままで損してない?料金設定と活用方法で触れています。

時間が取れないからこそ、何を任せ、何を自分で確認するかの線引きをはっきりさせることが大事になります。

新しい管理会社を見るときの基準

管理替えを考える段階になったら、次の会社を見る基準が必要です。ここでは会社名を挙げるのではなく、確認する項目をお伝えします。

  1. 賃貸住宅管理業の登録があるか(国土交通省の登録制度。登録番号は会社のサイトや名刺で確認できます)
  2. 空室のときの管理手数料の扱いがどうなっているか
  3. 報告の頻度と、その内容(問い合わせ件数まで出るか)
  4. 空室対策として何を提案してくれるか、家賃を下げる以外の案があるか
  5. 緊急時の対応体制(夜間・休日の受付があるか)
  6. 担当者が変わったときの引き継ぎ方

相談の段階でどこまで無料かも、先に確認しておくと話を進めやすくなります。アパート経営の無料相談、どこまで無料?知らずに費用が発生しないためにで、確認しておきたい点を整理しています。

なお当社は宅地建物取引業者(岡山県知事(1)第5933号)および賃貸住宅管理業者(国土交通大臣(1)第001348号)として、岡山市・倉敷市を対応エリアに賃貸管理と空室対策を行っています。空室の部屋には管理手数料をいただかない仕組みにしており、部屋が決まるまでは管理料が発生しません。空室が埋まらないと当社の収入も増えないため、オーナーさまと同じ方向を向いて動ける形にしています。

会社選びの観点は、空室が埋まらないのは管理会社のせい?賃貸管理会社の選び方5つのポイントや岡山の不動産会社選び、失敗してない?大家が確認すべきポイントでも扱っています。

費用と期間の目安

管理替えを考えるとき、どれくらいお金と時間がかかるかは気になるところだと思います。

管理替えそのものにかかる費用

管理委託契約の解約に違約金が設定されている場合があります。契約書の解約条項を必ず確認してください。ここは契約ごとに差が大きいため、一律の目安は示せません。

新しい管理会社との契約時にかかる費用も会社によって異なります。管理手数料のほかに、振込手数料や、希望に応じた維持管理費用(消防設備点検、定期清掃、貯水槽清掃など)が別途かかる形が一般的です。見積もりの段階で、月々かかるものと都度かかるものを分けて説明してもらうと分かりやすくなります。

かかる期間

解約予告が3か月前の契約であれば、申し入れから切り替わりまで3か月程度を見ておくことになります。ただし、その期間は空白ではありません。新しい管理会社が決まっていれば、その間に写真の撮影や募集準備を進めておくこともできます。

リフォームが必要な場合

空室対策としてリフォームを考えるなら、どこから手をつけるかで費用が大きく変わります。全面改修ではなく、塗装や部品の交換で印象を変えられる場合もあります。優先順位の考え方は賃貸リフォーム、無駄な費用をかけてない?空室対策で優先すべきことにまとめています。

よくある失敗のしかた

管理替えの検討でつまずきやすい点を挙げておきます。

  • 不満を伝えないまま解約だけ進める──改善できたかもしれない部分が分からないまま、同じ不満を繰り返すことがあります
  • 手数料の安さだけで選ぶ──業務範囲が狭く、結局別料金になる場合があります
  • 契約書を確認せずに解約を申し入れる──予告期間や違約金で想定外の負担が出ることがあります
  • 引き継ぎ書類の確認を任せきりにする──後から敷金の額が分からない、鍵が足りないといった問題が出ます
  • 空室の原因を調べないまま会社だけ替える──物件側に原因がある場合、会社を替えても状況は変わりません

特に最後は見落とされがちです。管理会社の動きと物件の状態、両方を見たうえで判断すると、替えたあとの見通しが立てやすくなります。

当社では、質問に答えていくだけで空室が長期化しやすい要因を確認できる空室長期化リスク診断を無料でご用意しています。管理会社への不満を整理する前に、物件側の状況を把握する材料としてお使いいただけます。

まとめ──不満を言葉にするところから

管理会社への不満は、放っておくと「なんとなく合わない」という感覚だけが残り、判断の材料になりません。

  1. 不満を「対応」「募集」「お金」に仕分けして書き出す
  2. 管理委託契約書で、業務範囲と解約条項を確認する
  3. 契約に書かれていることが守られていないなら、書面で具体的に伝える
  4. 伝えても変化がなければ、他社の話も聞いてみる
  5. 替えるなら、解約予告の期間を見込んで段取りを組む

相続や兼業で時間が限られている方ほど、この順番で整理しておくと、限られた時間を判断に使えます。評判や兆候から見る視点は評判の悪い管理会社の5つの兆候|大家が管理替え前に見る確認点でも扱っていますので、あわせてご覧ください。

管理会社に不満があるとき、まず何から確認すればよいですか
最初に管理委託契約書を開き、委託している業務の範囲と報告の頻度、解約の予告期間を確認してください。不満の中には、契約に含まれていない業務を期待していたことから生じているものもあります。契約に書かれている内容が守られていないのか、書かれていないことを求めているのかで、伝え方も次の行動も変わります。相続で引き継いだ物件などで契約書が手元にない場合は、管理会社に写しを請求できます。
管理会社を替えると決めてから、実際に切り替わるまでどれくらいかかりますか
管理委託契約には解約の予告期間が定められており、3か月前予告となっている契約が多く見られます。そのため、申し入れから切り替わりまで3か月程度を見ておくのが現実的です。期間は契約書の解約条項に書かれていますので、必ず確認してください。なおこの期間中に、新しい管理会社が写真撮影や募集準備を進めておくことも可能です。
管理会社の変更手続きは、大家自身がすべて行う必要がありますか
多くの部分は新しい管理会社が代行します。満室本舗(株式会社ログリンク)の場合、オーナーさまにお願いするのは解約書類へのご署名のみで、現在の管理会社とのやり取りや入居者への連絡手続きは当社が代行します。ただし、入居者ごとの契約書原本、敷金の預かり状況、鍵の本数、修繕履歴、消防設備の点検記録といった引き継ぎ書類が揃っているかは、大家さん自身でも確認しておくことをおすすめします。
空室が埋まらないのは管理会社のせいだと言い切れますか
管理会社の動きと物件そのものの状態、両方に原因がある場合が多いため、片方だけに決めつけないほうが判断を誤りにくくなります。ポータルサイトへの掲載有無、写真の枚数や明るさ、間取り図の状態、家賃や敷金礼金の設定は、大家さん自身が入居希望者として検索して確認できます。あわせて、共用部の清掃状態や室内の傷み、人気設備の有無も見ておくと、原因が物件側にあるのか募集活動側にあるのかを切り分けやすくなります。
本業があって時間が取れない場合、管理会社はどう選べばよいですか
手数料の安さではなく、自分が関われない部分を埋めてくれるかで見るほうが現実的です。確認したいのは、賃貸住宅管理業の登録があるか、報告の頻度と内容はどうか、夜間や休日の緊急対応体制があるか、空室対策として家賃を下げる以外の提案があるか、担当者が変わったときの引き継ぎはどうなるか、といった点です。業務範囲が狭いと結局別料金が発生することもあるため、月々かかる費用と都度かかる費用を分けて説明してもらってください。

株式会社ログリンク 代表取締役 菅雅俊
株式会社ログリンク
代表取締役
菅 雅俊KAN MASATOSHI
「空室・空き家を、満室に。」
宅地建物取引士賃貸経営管理士土地家屋調査士測量士FP3級
岡山市・倉敷市で空室対策に特化した賃貸管理サービス「満室本舗」を運営。国土交通省の賃貸住宅管理業登録事業者(国土交通大臣(1)第001348号)として、プロカメラマンによる物件撮影や物件専用ホームページの制作など、オーナー様第一の空室対策で早期満室化を支援している。
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