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2026年10月24日

賃貸の宅配ボックス設置費用、大家が見積もり前に見る3つの内訳

「入居希望者から宅配ボックスの有無を聞かれる」「募集図面に宅配ボックスありと書きたい」。そう考えて費用を調べ始めた賃貸オーナーの方に向けて、この記事では設置費用がどんな要素で決まるのか、見積書のどこを見れば他社と比べられるのかを順番に整理します。満室本舗(株式会社ログリンク)は岡山市・倉敷市で賃貸管理と空室対策を行っている会社で、オーナーの皆さまから設備投資のご相談を受ける立場から書いています。

なお、本体価格や工事費はメーカー・機種・現場条件で大きく変わります。この記事では相場らしき金額を並べるのではなく、見積もりを取ったときに自分で比べられる状態になることを目的にしています。

賃貸の宅配ボックス設置費用は「本体・工事・その後の維持費」の3つで決まります

宅配ボックスの費用は、カタログに載っている本体価格だけでは決まりません。オーナーが実際に支払う総額は、本体、設置工事、そして設置後に毎年かかる維持費の3つを足したものになります。見積もりを比べるときは、この3つがどこまで含まれているかを先にそろえる必要があります。

  • 本体価格=ボックスのタイプ(機械式か電気式か)と収納数で変わる
  • 設置工事=基礎の有無、電源・通信の引き込み、既存物の撤去で変わる
  • 維持費=電気代、通信費、保守契約、部品交換、将来の入れ替え
  • 見積書は「一式」でまとめられていると比較できない
  • 金額の目安は各メーカーの公式サイトに掲載されている価格を確認する

本体のタイプで費用の幅が変わります

宅配ボックスは大きく分けて、ダイヤル錠や押しボタンで施錠する機械式と、電源を使って暗証番号や操作パネルで管理する電気式があります。一般に機械式は構造が単純なぶん本体も工事も軽く、電気式は配線工事が加わるため総額が上がりやすい傾向があります。

  • 機械式…電源不要。既存の空きスペースに据え置きや壁付けで設置しやすい。暗証番号の設定方法は配達員が行う方式が中心
  • 電気式…電源が必要。使用履歴の管理や長期保管の検知などができる機種がある。配線・分電盤の空き確認が必要
  • 戸数の多い物件向けに、複数サイズのボックスを並べて増設できるタイプもある

小規模なアパートで、まずは宅配ボックスを置いたという事実を募集条件に載せたい場合は機械式から検討することが多く、戸数が多い物件や管理の手間を減らしたい場合は電気式が候補になります。どちらが適するかは建物の電源状況と設置スペースで決まるため、先に現地を見てもらうのが近道…ではなく、現地を見ないと判断できない部分だとご理解ください。

工事側の条件で金額が動きます

既存の賃貸物件に後から設置する場合、費用が膨らむのは本体よりも工事側であることが少なくありません。見積もりを依頼する前に、次の点を写真と一緒に伝えておくと、現地調査の前後で金額が大きく変わる事態を減らせます。

  1. 設置したい場所の床がコンクリートか、土やアスファルトか
  2. 屋根や庇があるか(雨がかかる場所は防水仕様や屋根の追加が必要になることがある)
  3. 設置場所の近くに使える電源があるか、分電盤に空きがあるか
  4. 自転車置場やゴミ置き場、メーターボックスと干渉しないか
  5. 建物の前面道路から搬入できるか(階段・段差の有無)

宅配ボックスの見積もりは、設置場所の条件を伝えた時点で精度が決まります。

見積書で確認したい項目

宅配ボックスの設置費用を本体・工事・維持費の3つに分けた内訳図

複数社から見積もりを取る場合、オーナーが最初にやることは金額の大小を比べることではなく、項目の粒度をそろえることです。下の表の項目が見積書に書かれているか、「一式」でまとめられていないかを確認してください。

区分 確認する内容 抜けていると後から追加されやすい点
本体 メーカー名・型番・収納数・各ボックスのサイズ 希望した収納数と違う構成になっていないか
基礎工事 コンクリート基礎の有無、アンカー固定の方法 土間打ち、残土処分、養生期間
電気工事 配線距離、分電盤からの引き込み、ブレーカー増設 露出配線の化粧カバー、夜間作業費
撤去・処分 既存物(古い物置・植栽・ブロック)の撤去と処分 処分費が別請求になる契約
諸経費 現地調査費、運搬費、駐車場代、廃材処分、消費税 税抜表示かどうか
保証・保守 本体保証の年数、保守契約の要否と年額 鍵・部品の交換が保証対象外になる範囲

同じ条件で2〜3社に依頼すると、どの会社がどこまで含んでいるかが見えてきます。1社だけの見積もりで判断すると、項目の抜けに気づけません。

必要なボックス数と設置場所をどう決めるか

宅配ボックスの設置場所を決めるための共用部の配置図

ボックスの数は多いほど良いというものではなく、戸数と入居者層に対して過不足のない数を選ぶのが基本です。数が足りないと「いつも埋まっていて使えない」という不満になり、多すぎると本体費用と設置面積が無駄になります。

数の決め方

メーカー各社は住戸数に対する設置数の考え方を公式サイトやカタログで公開しています。自己判断で決めるより、検討している機種のメーカー資料に沿って数を出し、そのうえで次の点を加味してください。

  • 単身者中心か、ファミリー中心か(荷物のサイズと頻度が変わります)
  • 在宅時間が長い入居者が多いか(在宅なら手渡しで完結する割合が上がります)
  • 大きな荷物を想定するか(大サイズを1つ入れるかで本体構成が変わります)

場所の決め方

設置場所は、配達員が入口から迷わずたどり着けて、入居者が帰宅動線の途中で開けられる位置が扱いやすくなります。あわせて、死角になりすぎない場所を選ぶことも検討材料です。

  1. 建物の入口付近で、郵便ポストの並びか近接した位置
  2. 雨がかかりにくい、または屋根を追加できる場所
  3. 扉の開閉スペースが確保でき、通路の幅を狭めない場所
  4. 駐輪場やゴミ置き場の出入りと重ならない場所

共用部の第一印象は内見時の評価に直結します。宅配ボックスを置くなら、その周辺の清掃状態まで含めて整えるところまでが一つの工事です。共用部の見え方については蜘蛛の巣の対策|賃貸共用部の取り方と再発を減らす順番でも当社が現場で行っている手順をまとめています。

設置後にかかり続ける費用

オーナーが見落としやすいのが、設置後に毎年発生する費用です。初期費用だけで判断すると、数年後に想定外の支出が出ることがあります。

  • 電気代…電気式の場合に発生。共用部電気として毎月のランニングに乗ります
  • 通信費…遠隔監視や履歴管理の機能を使う機種では回線契約が必要になる場合があります
  • 保守・点検…保守契約の有無、年額、対応範囲(故障時の出張費が別かどうか)
  • 消耗部品…ダイヤル錠や扉のパッキン、ヒンジなどの交換
  • 入れ替え…屋外設置は紫外線と雨で劣化します。将来の更新費を見込んでおく
  • 利用トラブル対応…荷物の長期放置、誤投函、鍵の不具合への対応窓口

当社が管理をお預かりしている物件では、24時間365日の電話受付と緊急対応を行っているため、宅配ボックスが開かないといった入居者からの連絡もオーナーではなく当社で一次対応しています。設備を増やすとその分だけ問い合わせの入口が増えるので、誰が受けるのかを設置前に決めておくことをおすすめします。

費用をかける前に、空室の原因を切り分ける

宅配ボックスは人気のある設備ですが、設置すれば空室が埋まると約束できるものではありません。当社がオーナーから空室のご相談を受けたとき、現場で見つかる原因は設備以外にあることが多いのが実情です。

実際に当社が確認してきた例としては、掲載写真の枚数が少ない、スマートフォン撮影でぼやけている、間取り図が古く手書きのまま、SUUMOに掲載されていない、共用部にチラシが溜まりゴミ置き場が散らかっている、室内の汚れや臭いが残っている、といったものがあります。これらは本体数十万円の設備投資より先に手を付けられる部分です。

当社では、費用のかかる設備を増やす前に、プロカメラマンによる物件写真の撮影、物件専用ホームページの制作、SUUMO上位PR枠への掲載代行、募集チラシの制作を管理のメニューとして無料で行っています。また、部屋が決まるまでは管理手数料をいただかない形にしているため、空室のまま費用だけが出ていく状態を避けられます。

  • 宅配ボックスの検討と同時に、募集情報(写真・間取り図・掲載先)を点検する
  • 共用部と室内の清掃は、設備投資より先に着手できる
  • 家賃・敷金・礼金が周辺と合っているかを確認する
  • 設備を入れる場合も、ターゲットとなる入居者層から逆算して選ぶ

募集条件そのものを見直したい場合は、当社が書いた敷金礼金の相場、大家が設定前に調べる手順と判断材料も参考にしてください。設備投資と条件見直しは、どちらが先かで必要な費用が変わります。(※結果は物件の立地・状態により異なります)

入居者とのトラブルを減らす運用ルール

オーナーが設置前に決めておくべきなのは、金額よりも運用ルールです。宅配ボックスは共用部の設備であるため、使われ方によって管理の手間が変わります。

  1. 長期間取り出されない荷物の扱い(保管期間の上限と、超えた場合の連絡方法)
  2. 宅配以外の私物保管や、入居者同士の受け渡しに使うことの可否
  3. 生鮮品・冷蔵品の投函を想定するか
  4. 故障時の連絡先(オーナーか管理会社か)と、入居者への告知方法
  5. 退去時の確認事項(残置荷物の有無)

これらは入居のしおりや館内掲示で伝えることになります。設置後に決めようとすると、最初のトラブルが起きてから対応することになるため、工事の発注と同じタイミングで文面を用意しておくと落ち着いて運用できます。

補助金と税務上の扱いについて

宅配ボックスの設置は、自治体によっては住宅関連の補助制度の対象になる場合があります。ただし制度の有無・金額・要件は年度ごとに変わり、募集期間も限られます。必ずその自治体の公式ページで、現在募集中かどうかと要件を確認してください。岡山市・倉敷市でも募集内容は年度で変わるため、着工前の申請が条件になっていないかを含めて確認が必要です。

補助金の確認先の調べ方については、当社の記事空き家を賃貸に活用する補助金、岡山で申請前に見る確認先で、公式ページのどこを見るかという手順をまとめています。

また、設置費用が修繕費として処理できるか、資産計上して減価償却するかといった判断は、金額や工事の内容によって変わります。個別の税務判断は税理士にご確認ください。当社は宅地建物取引業者・賃貸住宅管理業者であり、税務の判断を行う立場にはありません。

よくある質問

宅配ボックスの費用は本体価格だけ見ればよいですか
本体価格だけでは総額になりません。賃貸物件に後から設置する場合、コンクリート基礎やアンカー固定などの設置工事、電気式であれば分電盤からの配線工事、既存の物置や植栽がある場合の撤去と処分費、運搬費や現地調査費といった諸経費が加わります。さらに設置後も電気代、保守契約、部品交換、将来の入れ替え費用が発生します。見積もりを取るときは、これらが含まれているか、「一式」でまとめられていないかを確認してください。
機械式と電気式の宅配ボックスはどちらを選べばよいですか
建物の電源状況と設置スペースで決まります。機械式はダイヤル錠などで施錠するタイプで電源が不要なため、既存の空きスペースに設置しやすく工事も軽くなる傾向があります。電気式は電源が必要で配線工事が加わりますが、使用履歴の管理や長期保管の検知ができる機種があります。戸数が少なくまず設置したい場合は機械式、戸数が多く管理の手間を減らしたい場合は電気式が候補になります。設置場所に使える電源があるか、分電盤に空きがあるかを先に確認すると判断しやすくなります。
宅配ボックスをいくつ設置すればよいか、どう決めますか
検討している機種のメーカーが公開している、住戸数に対する設置数の考え方を基準にするのが確実です。そのうえで、単身者中心かファミリー中心か、在宅時間が長い入居者が多いか、大きな荷物を想定するかによって構成を調整します。数が足りないと常に埋まって使えないという不満につながり、多すぎると本体費用と設置面積が無駄になります。大サイズを1つ入れるかどうかでも本体構成と金額が変わります。
宅配ボックスを設置すれば空室は埋まりますか
設置すれば必ず埋まるとは言えません。空室が続く原因は設備以外にあることも多く、掲載写真の枚数が少ない、スマートフォン撮影でぼやけている、間取り図が古い、大手ポータルサイトに掲載されていない、共用部や室内の清掃が行き届いていない、家賃や敷金礼金が周辺と合っていない、といった点が影響している場合があります。設備投資を決める前に、募集情報と現地の状態を点検して原因を切り分けることをおすすめします。
設置費用に補助金は使えますか
自治体によっては住宅関連の補助制度の対象になる場合がありますが、制度の有無・金額・要件・募集期間は年度ごとに変わります。着工前の申請が条件になっていることもあるため、工事を発注する前にその自治体の公式ページで現在の募集状況と要件を確認してください。また、設置費用を修繕費として処理するか資産計上するかといった税務上の判断は工事内容や金額によって変わるため、税理士にご確認ください。

宅配ボックスの費用は、本体・工事・維持費の3つに分けて見積もりを比べ、設置数と場所を条件から逆算し、運用ルールを決めるところまでが検討の範囲です。そのうえで、設備投資が本当にいま必要なのか、募集情報の見直しで対応できる部分はないのかを切り分けると、使うお金の順番が整理できます。岡山市・倉敷市で空室が続いている物件について相談先を探している方は、当社の無料相談で聞かれること|空室に悩む大家の準備資料に、事前に用意しておくと話が早い資料をまとめています。

株式会社ログリンク 代表取締役 菅雅俊
株式会社ログリンク
代表取締役
菅 雅俊KAN MASATOSHI
「空室・空き家を、満室に。」
宅地建物取引士賃貸経営管理士土地家屋調査士測量士FP3級
岡山市・倉敷市で空室対策に特化した賃貸管理サービス「満室本舗」を運営。国土交通省の賃貸住宅管理業登録事業者(国土交通大臣(1)第001348号)として、プロカメラマンによる物件撮影や物件専用ホームページの制作など、オーナー様第一の空室対策で早期満室化を支援している。
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