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2026年9月23日

家賃相場の調べ方|空室が続くとき、下げる前の見直し順

家賃相場には「募集家賃」と「成約家賃」の2つがある

募集家賃と成約家賃の違いを並べた対比図

家賃相場を調べるとき、まず押さえておきたいのは、世の中に出回っている家賃の情報が大きく2種類に分かれるという点です。募集のために表に出ている金額と、実際に契約が決まった金額は、必ずしも同じではありません。ここを分けて考えないと、調べた数字が自分の物件の判断材料になりません。

  • 募集家賃…ポータルサイトやチラシに載っている、これから借り手を探す部屋の金額
  • 成約家賃…実際に契約が成立した金額。値引きやフリーレントの調整が反映された後の金額

募集家賃からわかること・わからないこと

募集家賃は誰でも無料で大量に見られるため、比較の出発点として使いやすい情報です。一方で、その金額で本当に決まったのかは分かりません。長く決まらないまま同じ金額で掲載され続けている部屋も、募集家賃としては数字に残ります。

賃貸の成約家賃は一般公開が限られている

売買の成約価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」やレインズ・マーケット・インフォメーションで誰でも調べられますが、賃貸の成約家賃はこうした形で広く一般公開されているわけではありません。賃貸の成約家賃に近い情報は、地域で実際に募集を扱っている仲介会社・管理会社に確認するのが現実的な方法です。

自分の物件の家賃相場を調べる手順

家賃相場を調べる4つのステップを示した流れ図

家賃相場の調べ方は、広い統計から入るより、自分の部屋と入れ替え可能な物件を並べるところから始めたほうが判断に使えます。順番は次のとおりです。

  1. 自分の部屋の条件を書き出して、比較の土台をつくる
  2. ポータルサイトで、同じ条件の募集中の部屋を並べる
  3. 公的データや賃料動向のレポートで、エリア全体の動きを確かめる
  4. 成約に近い情報を、仲介会社・管理会社に確認する
  5. 自分の部屋が「選ばれる順番」で何番目に来るかを考える

ステップ1|比較の土台になる条件を書き出す

比較対象がずれていると、いくら数を集めても相場は見えてきません。最低限そろえたい項目を先に決めておきます。

そろえる項目 見るポイント
エリア 最寄り駅・徒歩分数、または学校・職場・幹線道路からの距離
間取り・専有面積 1Kでも面積差は大きい。㎡数まで合わせる
築年数 近い年代でそろえる。大規模修繕やリフォームの有無も確認
建物構造 木造・鉄骨・RC造で遮音性や光熱費の印象が変わる
駐車場 敷地内か、別途契約か、料金は家賃に含むか
共益費・管理費 家賃だけでなく「家賃+共益費」の合計で比べる
主要設備 独立洗面台、バストイレ別、モニター付インターホン、宅配ボックス、Wi-Fiなど

ステップ2|ポータルサイトで競合を並べる

SUUMO、アットホーム、LIFULL HOME’Sなどの大手ポータルで、上の条件に絞って検索します。このとき、入居希望者と同じ操作で探すのがポイントです。エリアと間取りを指定し、家賃の安い順に並べ替えると、自分の部屋がどの位置に現れるかが見えてきます。LIFULL HOME’Sの「見える!賃貸経営」のように、市区町村・間取り別の家賃相場を無料で確認できるサービスもあります(掲載中の募集情報をもとにした数値のため、成約家賃とは異なります)。

ステップ3|統計でエリア全体の流れを確かめる

個別の物件だけを見ていると、たまたま安い部屋・高い部屋に引きずられます。エリア全体の傾向は、次のような公的・業界の調査で確認できます。金額そのものより、どちらへ動いているかを見る使い方が向いています。

  • 総務省統計局「住宅・土地統計調査」…都道府県・市区町村単位の借家の家賃などを掲載
  • 国土交通省「住宅市場動向調査」…民間賃貸住宅の入居世帯の状況を毎年調査
  • 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「日管協短観(賃貸住宅市場景況感調査)」…入居率や募集条件の動向

ステップ4|成約に近い情報を確認する

最後に、地域で募集を扱っている会社に「この条件の部屋は、直近でいくらで決まっているか」を聞きます。同じ建物内の他の部屋や、近隣の同規模物件の直近の成約条件は、募集家賃より判断に直結します。当社でも、岡山市・倉敷市でオーナー様からご相談をいただいた際は、まず近隣の募集状況と決まり方を確認したうえで条件を検討しています。

比較がずれてしまう、よくある落とし穴

家賃相場を自分で調べたオーナー様が見落としやすいのは、金額そのものではなく比較の前提です。次の点は先に確認しておくと、判断の精度が変わります。

  • 家賃だけで比べて、共益費・駐車場代を足していない
  • 敷金・礼金・フリーレントの有無を無視している(初期費用が違えば実質の負担は変わります)
  • 同じ物件が複数社から重複掲載され、競合数を多く見積もっている
  • 長期間決まっていない部屋の募集家賃を、相場として数えている
  • 自分の物件のリフォーム前の状態と、リフォーム済みの部屋を比べている

相場より高いと分かっても、家賃を下げる前に見直す順番

家賃を下げる前に見直す項目の優先順位を示した図

調べた結果が相場より高めだったとしても、値下げは最後の手段として考えるほうが、収益への影響を抑えられます。家賃は一度下げると、次の入居者にも引き継がれていくためです。見直しは次の順番をおすすめします。

  • ①情報の出し方(写真・間取り図・掲載先)を先に直す
  • ②内見時の印象を左右する、室内と共用部の状態を整える
  • ③初期費用まわりの条件で調整の余地を探す
  • ④入居者に求められている設備を確認する
  • ⑤それでも反響が動かないときに、家賃の見直しを検討する

①情報の出し方を見直す

写真の枚数が少ない、スマートフォン撮影でぼやけている、間取り図が古く手書きのまま、そもそもSUUMOに載っていない。当社が現場で伺う空室の原因には、こうした募集情報側の課題が少なくありません。家賃が適正でも、情報が届いていなければ検討の土俵に乗りません。当社では、建築撮影用のカメラを使ったプロカメラマンによる物件写真の撮影、ゴミ置き場や駐車場の配置図・ライフライン情報まで載せた物件専用ホームページの制作、SUUMOの上位PR枠への掲載代行を、管理をお任せいただくオーナー様の追加費用なしで行っています。

②室内と共用部の状態を整える

共用部の蜘蛛の巣、ポストにたまったチラシ、散らかったゴミ置き場は、内見者が建物に着いて最初に目にする部分です。室内も、コンロの油汚れ・鏡のうろこ・虫の死骸といった点が残っていると、家賃の高い安い以前の判断材料になります。全面改修ではなく、塗装や部品交換で費用を抑える方法もあります。退去時の原状回復で、どこまでがオーナー負担になるかは、当社のブログ記事原状回復のガイドラインで大家負担になる範囲と、経過年数の考え方で整理しています。

③初期費用まわりの条件を確認する

家賃を下げずに検討者の負担を軽くする方法として、礼金の見直し、フリーレント、仲介手数料の扱いなどがあります。毎月の家賃を維持したまま調整できるため、長期の収入への影響を抑えやすい選択肢です。更新料の設定を近隣と比べる考え方は、当社のブログ記事賃貸の更新料の相場、オーナーが競合物件から確かめて判断するにまとめています。

④設備を確認する

モニター付きインターホン、宅配ボックス、無料Wi-Fiなどは、同じ家賃帯の競合にあって自分の物件にない場合、選ばれない理由になり得ます。給湯器のように交換時期が来る設備は、費用の見通しも含めて検討が必要です(当社のブログ記事アパート 給湯器 交換 費用|見積書で見る3つの変動要因)。

当社が管理をお引き受けした岡山市北区津高のRC造アパート(築30年・1K・25部屋)では、ご相談時に13部屋が空室でした。募集条件の見直し、予算を抑えたリフォームと清掃、入居者の仲介手数料0円、ポータル掲載の改善、社会人女性にターゲットを絞った内装という順で手を入れ、6か月で満室となりました。※結果は物件の立地・状態・時期により異なります。

それでも家賃を見直す判断をする場面

値下げが選択肢に入るのは、情報の出し方と部屋の状態を整えたうえで、それでも反響や内見が動かないときです。判断の材料としては次の点を見ます。

  • 問い合わせ自体が入らない(掲載や条件が検討の土俵に乗っていない可能性)
  • 内見はあるが申込みに至らない(部屋の状態や設備、競合との比較で負けている可能性)
  • 近隣で同条件の新築・リノベ物件が増え、競合の数そのものが変わった
  • 空室のまま持ち続けた場合の逸失分と、値下げ後の年間収入の差を比べた

家賃は、将来売却を検討する際の評価にも関わってきます。満室か空室かで判断材料がどう変わるかは、当社のブログ記事アパート売却のタイミング|満室か空室かで変わる判断材料で触れています。

調べる頻度と、自分でやるときの手間

家賃相場の調べ方は一度覚えれば繰り返し使えますので、退去の連絡が入った時点と、募集を出して反響が動かないと感じた時点の2回を目安に確認するとよいと思います。

  • ポータルでの競合確認…無料。条件を絞れば1回あたり数十分程度
  • 統計・賃料動向レポートの確認…無料。公開元のサイトで閲覧可能
  • 成約に近い情報の確認…仲介会社・管理会社への相談。当社の無料相談でも対応しています

なお、当社(満室本舗/株式会社ログリンク)では、部屋が決まるまでの管理手数料をいただいていません。空室に管理料が発生しない仕組みのため、家賃を下げて早く埋める方向へ無理に誘導する動機が当社側に生まれにくい形になっています。対応エリアは岡山市・倉敷市です。空室が長引くリスクの目安は、質問に答えるだけの当社の空室長期化リスク診断(無料)でも確認いただけます。

よくある質問

家賃相場は無料でどこまで調べられますか
SUUMO・アットホーム・LIFULL HOME’Sなどの賃貸ポータルサイトで、エリアと間取りを絞って募集中の部屋を並べる方法が基本になります。加えて、総務省統計局「住宅・土地統計調査」や国土交通省「住宅市場動向調査」など、公的な調査結果も無料で閲覧できます。いずれも費用はかかりませんが、これらで分かるのは募集時点の金額や統計上の平均であり、実際に契約が成立した金額そのものではありません。
ポータルサイトに出ている家賃は実際に契約された金額ですか
ポータルサイトに掲載されているのは、これから借り手を探すための募集家賃です。契約時に値引きやフリーレントが付いた場合、その調整は掲載金額には反映されません。また、長期間決まらないまま同じ金額で掲載が続いている部屋もあります。実際の成約金額に近い情報は、その地域で募集を扱っている仲介会社や管理会社に、直近の決まり方を確認する方法が現実的です。
相場より高いと分かったら、すぐ家賃を下げたほうがよいですか
家賃は一度下げると次の入居者にも引き継がれ、長期の収入や将来の売却時の評価にも関わります。まずは写真や間取り図、掲載先といった情報の出し方、室内と共用部の清掃状態、入居者に求められている設備を確認する順番をおすすめします。問い合わせ自体が入らないのか、内見はあるが申込みに至らないのかで、原因の見当は変わります。
家賃を下げずに募集条件を調整する方法はありますか
毎月の家賃を維持したまま、入居時の負担を軽くする方法があります。礼金の見直し、一定期間の賃料を無償とするフリーレント、仲介手数料の扱いなどが該当します。毎月の収入額を変えずに済むため、長期的な収支への影響を抑えやすい選択肢です。ただし効果の出方は物件の立地や競合の状況によって異なります。
比較する物件を選ぶとき、どこまで条件をそろえればよいですか
最寄り駅からの徒歩分数、間取りと専有面積、築年数、建物構造、駐車場の有無と料金、主要な設備までそろえると、比較の精度が上がります。金額を見るときは家賃だけでなく共益費・管理費を足した合計で比べてください。駐車場代が家賃に含まれるかどうかも、地域によっては大きな差になります。

株式会社ログリンク 代表取締役 菅雅俊
株式会社ログリンク
代表取締役
菅 雅俊KAN MASATOSHI
「空室・空き家を、満室に。」
宅地建物取引士賃貸経営管理士土地家屋調査士測量士FP3級
岡山市・倉敷市で空室対策に特化した賃貸管理サービス「満室本舗」を運営。国土交通省の賃貸住宅管理業登録事業者(国土交通大臣(1)第001348号)として、プロカメラマンによる物件撮影や物件専用ホームページの制作など、オーナー様第一の空室対策で早期満室化を支援している。
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