賃貸管理会社の変更タイミング|解約予告から逆算する手順と費用
賃貸管理会社の変更タイミングは「解約予告」から逆算して決まります
結論からお伝えすると、管理会社の変更時期は「変えたいと思った日」ではなく「新しい体制で募集を始めたい月」から逆算して決めるものです。多くの管理委託契約には解約予告期間が定められていて、当社がこれまで拝見してきた岡山市・倉敷市のオーナー様の契約書では、3か月前予告としているものが多く見られました。思い立ってから実際に新しい体制へ切り替わるまでには、それなりの助走期間がかかると考えておくのが現実的です。
ここを知らないまま「春の入居シーズンに間に合わせたい」と年明けに動き出すと、切り替えが済むころには問い合わせの山を旧体制のまま見送ることになりかねません。変更のタイミングは、決断日ではなく募集開始日から逆算して組み立てます。
まず管理委託契約書のどこを見るか
最初にすることは比較検討ではなく、手元の契約書を開くことです。次の5か所に付箋を貼るつもりで読んでみてください。
- 解約予告期間(何か月前までに、誰に、どんな方法で伝えるか)
- 契約の更新日と自動更新の有無
- 中途解約時の違約金・精算の定め
- 敷金や保証金を管理会社が預かっているかどうか
- サブリース(一括借上げ)契約かどうか
「決断した日」と「切り替わる日」のずれを前提にする
予告期間がある以上、解約を伝えてから実際の管理開始日までには間があきます。この期間をどう使うかで、切り替え後の立ち上がりが変わります。当社の場合、ご契約後すぐに物件写真の撮影とホームページ制作に取りかかり、管理開始日までに募集の準備を整える進め方をとっています(結果は物件の立地・状態により異なります)。
- 管理委託契約の解約予告は3か月前としている契約が多い(当社が確認してきた範囲での傾向)
- 決断日ではなく「募集を始めたい月」から逆算する
- 予告期間中に写真撮影や募集資料の作成を進められる
- 解約手続き自体はオーナーの署名で進むケースが一般的
- 入居者への通知や引き継ぎは新旧の管理会社間で進む
なお、解約書類に署名すれば、現管理会社への連絡や入居者への案内は新しい管理会社が代行するのが通例です。当社にご依頼いただく場合も、現管理会社とのやり取りと入居者への手続きは当社が代行しますので、オーナー様が直接交渉する場面は限られます。
変更を検討したほうがよいサインを整理する
タイミングを考える前に、そもそも変更すべき状況かどうかを事実で確かめる必要があります。感情ではなく、確認できる事実で線を引きましょう。
募集・客付けに関するサイン
- 募集を始めてしばらく経っても決まらないのに、反響数や内見数の報告が届かない
- 提案が「家賃を下げましょう」だけで、他の打ち手が出てこない
- 掲載中の物件写真が暗い・枚数が少ない・スマホ撮影のまま
- 間取り図が古い、手書きのまま更新されていない
- 主要なポータルサイトに掲載されていない、または埋もれている
報告・お金に関するサイン
- 毎月の報告書が届かない、または入出金の内訳が読み取れない
- 身に覚えのない費用が精算に混ざっている
- 修繕の見積もりが一社からしか出てこない
- 滞納が発生したあとの督促状況が共有されない
建物と入居者対応に関するサイン
- 共用部の清掃状況やゴミ置き場の様子を報告で把握できない
- ポストにチラシが溜まったまま、植栽が伸びたままになっている
- 入居者からの連絡先が営業時間内のみで、夜間や休日の対応体制が不明
一度の不満で決めず、改善を求める順番を踏む
ひとつ当てはまるだけなら、まず現管理会社に改善を求めるほうが早い場合もあります。ただし「改善を依頼したのに、次の月も同じ状態」が繰り返されるようなら、担当者個人ではなく会社の体制の問題である可能性が高くなります。報告書の読み方に不安がある方は当社の記事賃貸管理の定期報告書の見方とチェック項目もあわせてご覧ください。空室が長引く場合の切り分けは空室が続くとき管理会社を変更するタイミングと判断基準で詳しく触れています(いずれも当社サイトの記事です)。
繁忙期から逆算した年間スケジュール

賃貸の募集には季節の波があり、一般に、進学・就職・転勤が重なる年明けから春先にかけて問い合わせが増える傾向があるとされています。この波に自分の物件の過去の成約時期を重ねると、動き出すべき月が見えてきます。
| 動き出す時期 | やること | 切り替わる目安 |
|---|---|---|
| 9〜10月 | 現状の点検・比較検討・解約予告 | 12〜1月(問い合わせが増える時期の入口) |
| 11〜12月 | 比較検討・解約予告 | 2〜3月(春の募集の後半) |
| 4〜6月 | 春の結果を振り返って判断・解約予告 | 7〜9月(秋の動きと次の春に備える) |
| 1〜3月 | 原則は現体制のまま募集に集中 | 春の募集が落ち着いてから判断 |
秋のうちに動き出す場合
もっとも動きやすいのは9〜10月です。この時期に解約予告を出しておけば、年末年始から増えていく問い合わせに新しい募集体制で臨めます。逆に、問い合わせが集中している最中に切り替えを進めると、引き継ぎと募集が重なって現場が慌ただしくなりやすい点は頭に入れておいてください。
春の結果を見てから動く場合
「今年の春も決まらなかった」と感じた4〜6月は、次の春に向けて動き出しやすい時期です。予告期間を、写真の撮り直し、募集資料の作り直し、費用を抑えたリフォームの検討に充てられるからです。空室期間が長い物件ほど、募集条件そのものの見直しに時間がかかります。家賃の水準に迷いがある方は、当社の記事家賃相場の調べ方|空室が続くとき、下げる前の見直し順を先にご確認ください。
- 秋に動く:次の春を新体制で迎えたいとき
- 春の直後に動く:今年の結果を踏まえて根本から組み直したいとき
- 問い合わせの多い時期の最中:原則は現体制で募集を続け、判断は持ち越す
変更の手順を時系列で確認する

手順そのものは複雑ではありません。オーナー様が実際に動く場面は、契約書の確認と署名、そして依頼先の見極めに集中します。
- 管理委託契約書を確認する(解約予告期間・更新日・違約金条項・原状回復や敷金の扱い)
- 候補となる管理会社に、現状の空室と収支を見せて対策の提案を受ける
- 提案内容・報酬体系・報告の頻度を比較し、依頼先を決める
- 新しい管理会社と契約し、解約予告の書類に署名する
- 現管理会社への通知、入居者への案内、鍵・書類・敷金・保証委託の引き継ぎを進める
- 切り替え日までの期間に、写真撮影・物件資料・掲載内容を整える
- 管理開始日から新しい体制で募集と管理をスタートする
予告期間を「待ち時間」にしない
ポイントは5と6を同時に進められることです。予告期間を準備期間に変えられるかで、切り替え後の立ち上がりが変わります。当社では、ご契約後すぐに建築用カメラでの写真撮影(無料)と物件専用ホームページの制作(無料)に着手し、管理開始日には募集の準備が整っている状態を目指しています。
引き継ぎで漏れやすい書類
- 入居者の連絡先と緊急連絡先
- 家賃保証会社の契約内容と更新時期
- 鍵の本数とマスターキーの所在
- 過去の修繕履歴・設備の交換時期
- 火災保険の加入状況と満期
- 敷金・保証金の預かり残高
特に修繕履歴は、次の入居募集で設備を説明するときに効いてきます。給湯器のように交換時期が読みにくい設備は、履歴があるかどうかで判断の精度が変わりますので、引き継ぎ資料に含まれているかを確認しておきましょう。退去時の負担区分に不安がある場合は、当社の記事原状回復のガイドラインで大家負担になる範囲と、経過年数の考え方もあわせてどうぞ。
入居者や保証会社との関係はどうなるか

変更をためらう理由として多いのが「入居者に迷惑がかかるのでは」という心配です。実務上、入居者に伝わるのは主に窓口とお金の流れの変更で、契約条件そのものが変わるわけではありません。
- 家賃の振込先が新しい管理会社の口座に変わる(通知書で案内)
- 設備故障やトラブル時の連絡先が変わる
- 賃貸借契約の当事者はオーナーのままで、契約条件は引き継がれる
- 保証会社の契約は、保証会社の承諾を得て引き継ぐか、更新時に切り替えるかを確認する
- 入居者に新たな費用負担が生じることは通常ない
入居者に負担をかけないためには、通知の時期と文面を切り替え前に決めておくことが要になります。当社は24時間365日の電話受付と緊急対応の体制をとっているため、切り替え後の連絡先は一本化してご案内しています。
変更にかかる費用と、事前に確認しておくこと

管理会社の変更そのものに大きな費用がかかることは多くありませんが、契約内容によっては負担が発生します。動き出す前に、次の項目を確認してください。
契約書で確認する費用項目
- 解約予告期間を守らない場合の違約金・予告期間分の管理料
- 敷金・保証金の返還や引き継ぎの方法
- 先払いしている点検費用・保険料の精算
- 新しい契約での管理料以外の実費(振込手数料、消防設備点検、定期清掃、貯水槽清掃など)
- 費用は「解約側」と「新契約側」に分けて洗い出す
- 違約金の有無は契約書の解約条項でしか分からない
- 敷金の預かり先が変わる場合は残高の確認書を残す
- 管理料以外の実費は、項目名と頻度まで見積もりに書いてもらう
サブリース契約は解約ルールが異なる
サブリース(一括借上げ)は、通常の管理委託契約と解約のルールが大きく異なり、解約の条件や時期が制限されている場合があります。契約書の解約条項を読まずに動き出すのは避けてください。費用面の詳細は当社の記事賃貸管理会社の乗り換え費用|違約金と実費の見方がわかるで整理しています。契約解釈そのものに争いがありそうなときは、弁護士など専門家へのご相談をおすすめします。
報酬体系は「率」より「何にかかるか」で比べる
あわせて確認したいのが、空室の部屋にも管理料がかかるかどうかです。家賃が発生している部屋だけを対象にする契約であれば、空室が埋まるまでの期間、オーナーと管理会社の関心が同じ方向を向きます。当社は、部屋が決まるまで管理手数料をいただかない形をとっており、空室に管理料は発生しません。報酬体系は率の数字だけでなく、何に対してかかるのかで比べると実態が見えやすくなります。
今は変更を急がないほうがよいケース
変更が常に正解というわけではありません。次のような場合は、いったん立ち止まって考えたほうがよいでしょう。
- 担当者が替わったばかりで、まだ改善の余地を試していない
- 空室の原因が管理会社ではなく、設備や室内の状態にある
- 大規模修繕や相続手続きの途中で、体制を動かすと調整が増える
- 問い合わせが集中する時期の最中で、募集の手を止めたくない
- 近いうちに売却も選択肢に入っている
空室の原因が室内や共用部にある場合、会社を変えただけで状況が変わるとは限りません。コンロの油汚れ、鏡のうろこ、共用部の蜘蛛の巣、ポストに溜まったチラシ──こうした点は、いまの管理会社に依頼して改善できることもあります。当社の記事岡山市のアパートで空室が埋まらない原因を現場目線で点検を参考に、まず原因の切り分けをしてみてください。売却も視野に入る場合はアパート売却のタイミング|満室か空室かで変わる判断材料もあわせてご覧ください(どちらも当社サイトの記事です)。
「会社を変える」より先に「原因を特定する」ほうが、遠回りに見えて筋が通ります。当社では、質問に答えるだけで空室長期化リスクを確かめられる満室本舗の空室診断(無料)をご用意しています。
次の管理会社を選ぶときに見るポイント
タイミングが決まったら、次は依頼先の見極めです。会社名を並べて比べるのではなく、次の基準を自分の物件に当てはめて確認していきます。
- 賃貸住宅管理業の登録があるか(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律により、管理戸数200戸以上の事業者には国土交通大臣の登録が義務づけられています)
- 空室の原因について、現地を見たうえで具体的な指摘があるか
- 提案が家賃の値下げ以外にもあるか(写真・物件資料・掲載面・設備・ターゲット設定)
- 報告の頻度と内容が事前に示されるか
- 管理料以外の費用の内訳が明示されるか
- 緊急時の連絡体制(受付時間・夜間対応)が確認できるか
- 他社の仲介会社にも紹介してもらえるよう、物件情報が整備されているか
提案が値下げ一択になっていないかを見る
3番目は特に大切です。当社が岡山市北区津高で担当した築30年・25戸のRC造アパートでは、相談時に13室が空いていました。募集条件の見直し、費用を抑えたリフォームと清掃、入居者の仲介手数料をなくす工夫、ポータルサイトの掲載改善、社会人女性にターゲットを絞った内装変更を組み合わせ、6か月で満室に至っています(※結果は物件の立地・状態により異なります)。別の物件では「家賃を下げるしかない」と言われていた長期空室について、写真撮影と物件専用ホームページの作成を行ったところ反響が増え、1か月で成約に至った例もあります(※同じ結果をお約束するものではありません)。打ち手は値下げだけではないという点は、提案を聞くときの物差しになります。
条件の見直しは家賃以外にも幅がある
更新料や敷金・礼金の設定も、競合物件と見比べて調整できる部分です。判断材料は当社の記事賃貸の更新料の相場、オーナーが競合物件から確かめて判断するにまとめています。値下げ以外の考え方は家賃を下げずに賃貸空室を埋める方法と見せ方、費用対効果を意識した改修はアパートリフォームの費用対効果|空室は塗装と部品交換で狙うをご覧ください。
当社にご相談いただく場合
満室本舗(株式会社ログリンク)は、宅地建物取引業免許 岡山県知事(1)第5933号、賃貸住宅管理業 国土交通大臣(1)第001348号の登録事業者で、岡山市・倉敷市を中心にお受けしています。ご契約から管理開始までは通常3か月程度で、その間に撮影・ホームページ制作・募集資料の準備を進めます。電話受付は10:00〜18:00(水・日・祝休)、入居者からの緊急連絡は24時間365日の体制です。税務や登記、契約の法的解釈に関わるご判断は、税理士・司法書士・弁護士など各分野の専門家へおつなぎします。
賃貸管理会社の解約予告はどれくらい前に出す必要がありますか
管理会社を変更すると入居者に迷惑がかかりませんか
入居の繁忙期に管理会社を変更しても問題ありませんか
管理会社を変更してから募集が始まるまでどれくらいかかりますか
サブリース契約でも管理会社を変更できますか
