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2026年9月14日

実家 空き家 どうする|住む・貸す・売るを決める4つの材料

親が施設に入った、あるいは亡くなって、実家に誰も住まなくなった。荷物はそのまま、鍵は手元にある。けれど何から手をつければいいのか分からない——このページは、そういう状態の方に向けて書いています。私たちは岡山市・倉敷市で賃貸管理と空き家活用を行っている満室本舗(株式会社ログリンク)です。日々オーナーさまや空き家を抱えたご家族からご相談を受けるなかで、最初のつまずき方がとても似ていると感じています。順番を整理するだけで、ずいぶん動きやすくなります。

実家が空き家になったら、最初に決める3つのこと

結論から言うと、いきなり「住む・貸す・売る」を決めようとしないほうが進みます。その前に決めるべきことが3つあり、ここが曖昧なままだと、どの選択肢を検討しても途中で止まってしまうからです。

  • 誰が決められるのか(建物と土地の名義は誰か、相続人は何人いるか)
  • いつまでに決めるのか(仮でよいので期限を置く)
  • 結論が出るまで誰が管理するのか(通風・郵便・庭・近隣対応の担当)

この3つは、使い道が決まっていなくても今日決められます。逆にここが決まっていないと、「兄は貸したい、妹は売りたい」「誰も見に行っていないうちに雨漏りしていた」といった形で、時間だけが過ぎていきます。空き家の問題は、建物の問題である前に「決める人と期限が決まっていない」という段取りの問題であることが多いです。

期限は厳密でなくてかまいません。「今年の夏のお盆に親族で集まるときに方向だけ決める」程度で十分です。期限があると、それまでにやるべき情報集め(名義の確認、建物の状態、相場感)が具体的になります。

手をつける順番|名義・建物・ライフラインの確認から

使い道を考える材料は、調べれば揃います。順番としては、名義 → 建物の状態 → お金の出入り、の順で確認すると迷いにくくなります。

1. 名義と相続人を確認する

まず、その家と土地が誰の名義になっているかを確認します。固定資産税の納税通知書や、法務局で取得できる登記事項証明書で確認できます。親が亡くなっている場合、名義が親のままだと、売ることも、正式に貸すことも進められません。

  1. 固定資産税の納税通知書を探す(毎年春ごろに届きます)
  2. 法務局で登記事項証明書を取得し、所有者と抵当権の有無を見る
  3. 相続が発生している場合は、相続人が誰と誰になるかを家族で共有する

なお相続登記は、2024年4月1日施行の改正不動産登記法により申請が義務化されています(不動産登記法第76条の2。相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請。法務省「相続登記の申請義務化」より)。「まだ使い道が決まらないから登記も後回し」は通らなくなっているという点は押さえておいてください。誰がどれだけ相続するか、手続きが通るかといった個別の判断は、司法書士や税理士にご相談ください。当社は宅地建物取引業者・賃貸住宅管理業者であり、登記や税務の個別判断は行いません。費用感だけ先に知りたい場合は、当社が書いた不動産の名義変更の費用|相続・贈与・売買で比べるもあわせてご覧ください。

2. 建物と中身の状態を見る

次に、実際に家に行って状態を見ます。写真を撮っておくと、後で家族に説明するときにも、業者に相談するときにも役に立ちます。

  • 雨漏りのあと(天井のシミ)、床のたわみ、外壁のひび
  • 水回り(キッチン・浴室・トイレ)の傷み具合と、給湯器の年式
  • シロアリの形跡、庭木の伸び、隣地への越境
  • 家財の量(家具・仏壇・写真・書類がどれくらい残っているか)
  • 建築時期が分かる書類(検査済証、確認済証、増改築の記録)

家財の量は、後で出てくる費用に直結します。片付け・解体・売却それぞれの費用の考え方は、当社の記事実家じまいの費用|片付け・解体・売却の目安を知るで整理しています。

3. ライフライン・郵便・保険を整える

使い道が決まるまでの間も、家は動き続けます。止めるもの、続けるものを分けておきます。

  • 電気と水道は止めないという選択もあります。換気扇を回す、通水して排水管の封水を保つといった管理をするなら、基本料金を払ってでも残したほうが作業しやすくなります
  • 郵便物は転送手続きをする。ポストに溜まった郵便は、人が住んでいないことの分かりやすいサインになります
  • 火災保険の契約内容を確認する。空き家になると契約の扱いが変わる場合があるため、保険会社への連絡が必要です
  • ガスは使う予定がなければ閉栓でかまいません

住む・貸す・売るの分かれ道

実家の空き家を住む・貸す・売る・解体のどれにするかを判断するフロー図

ここまで確認できたら、ようやく使い道の検討に入ります。選択肢は大きく4つで、それぞれ向いている条件がはっきり違います。どれが正解かは家によって違い、決め手になるのは「立地の需要」と「建物にいくらかけられるか」の2つです。

選択肢 向いている状況 主にかかるお金 注意点
家族が住む 通勤・通学圏内で、建物が使える状態 改修費・引越し費・固定資産税 他の相続人との精算方法を先に決める
貸す 周辺に賃貸需要があり、修繕費を回収できる見込みがある 原状回復・設備更新・管理費用 貸したあとは自由に売れなくなる期間が生じる
売る 遠方で通えない、賃貸需要が読みにくい、現金化して分けたい 仲介手数料・片付け費・測量費など 名義を整えないと売却手続きに進めない
解体して土地活用 建物の傷みが大きく、土地に需要がある 解体費・整地費 更地にすると固定資産税の扱いが変わる

家族の誰かが住む場合

いちばんシンプルに見えますが、相続人が複数いるときは注意が必要です。住む人だけが実物を得る形になるため、他の相続人とどう精算するかを先に話しておかないと、後から揉めやすくなります。あわせて、耐震性や水回りの更新にどれくらいかかるかを見積もってから決めると、住み始めてから想定外の出費に驚くことが減ります。

貸す場合

戸建てを賃貸に出すという選択は、地域に需要があれば現実的です。判断のポイントは、家賃としていくら取れそうかではなく、貸せる状態にするまでの費用を、何年で回収できるかです。

  1. 近隣の同じような戸建て賃貸が、どんな条件で募集されているかを調べる(家賃・広さ・駐車場の有無・設備)
  2. 貸せる状態にするまでに必要な工事を洗い出し、見積もりを取る
  3. 年間の家賃収入から、管理費用・固定資産税・修繕の積立を引いた手残りを出す
  4. 工事費を手残りで割って、回収に何年かかるかを見る

ここで大事なのは、全面リフォームありきで考えないことです。当社が空室対策の現場で見ていると、決まらない理由は建物の古さそのものより、写真が暗い・情報が足りない・共用部や庭が荒れているといった見え方にあることが少なくありません。塗装や部品交換で印象が変わる箇所を優先し、費用対効果から逆算する考え方をおすすめしています。

売る場合

遠方に住んでいて通えない、相続人が複数いて現金で分けたい、という場合は売却が現実的です。売り方には、買主を探してもらう「仲介」と、業者に直接買い取ってもらう「買取」があり、価格とスピードの性質が逆になります。それぞれの違いと見積もりで確認すべき項目は、当社の記事空き家 買取 業者に依頼する前に、仲介との違いと見積もりの確認項目で整理しています。

解体して土地として使う場合

建物の傷みが大きく、直すより壊すほうが合理的なケースもあります。ただし、住宅が建っている土地は地方税法上の住宅用地の特例により固定資産税の課税標準が軽減されており(地方税法第349条の3の2)、建物を取り壊すとこの特例の対象外になります。「空き家を壊せばすっきりする」と考えて更地にすると、翌年度から税負担の計算が変わる点は先に確認しておいてください。解体費用については自治体の補助制度が使える場合があります。制度は年度や自治体ごとに内容が変わるため、必ずお住まいの自治体の公式ページで確認してください。探し方は当社の記事空き家の解体の補助金|自治体制度の探し方と申請手順がわかるにまとめています。

判断を分ける4つの材料

どれを選ぶかで迷ったときは、次の4点を紙に書き出してみてください。感覚で比べるより、材料を並べたほうが家族の話し合いも進みます。

  • 立地の需要:最寄り駅・学校・職場までの距離、駐車場の有無。周辺で戸建て賃貸や中古戸建てがどんな条件で出ているか
  • 建物の状態:雨漏り・傾き・シロアリの有無。ここに問題があると、貸すにも売るにも前提の費用が大きくなります
  • かけられる費用と、回収の期間:手元資金のうちいくらまで出せるか。借りるなら返済計画も含めて
  • 家族の合意と気持ち:思い出のある家をすぐ手放せない、という感情も立派な判断材料です。無理に押し込めると後から蒸し返されます

4つのうち「立地の需要」は自分で調べられます。賃貸ポータルサイトや不動産情報サイトで、同じ学区・同じくらいの広さの物件がどんな条件で何件出ているかを見るだけでも、貸す場合の現実味がつかめます。

結論が出るまでの、実家の維持の仕方

月に一度の空き家維持チェック6項目を家の図に配置した図解

方向が決まるまでには時間がかかります。その間も家は傷むので、最低限の維持だけは続けてください。人が住まない家が急速に傷むのは、換気されず湿気がこもり、水が流れず排水管が乾くためです。

  1. 月に1回程度、窓を開けて空気を入れ替える
  2. すべての蛇口を少し流し、トイレも流して排水口の封水を保つ
  3. ポストの郵便物・チラシを回収する
  4. 庭木と雑草を刈り、隣地にはみ出していないか見る
  5. 屋根・外壁・雨樋を外から目視で見て、写真を残す
  6. 近隣の方に連絡先を伝えておく

遠方に住んでいて通うのが難しい場合は、有料の空き家管理サービスという選択肢があります。頼める作業の範囲と費用の考え方は、当社の記事空き家 管理 サービス、遠方の実家で頼める作業と費用を整理するで整理しています。自分で通う交通費と時間を計算したうえで比べると、判断しやすくなります。

放置したままにすると、何が起きるのか

「とりあえずそのままにしておく」も選択のひとつではありますが、制度上の不利が生じる可能性があります。

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年12月13日に改正法が施行され、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある状態の空き家が「管理不全空家等」と位置づけられました。市区町村から指導を受け、改善されずに勧告に至った場合、その敷地は住宅用地の特例(固定資産税の課税標準の軽減)の対象から除外されます(国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」より)。壊れかけたまま放置していると、家が建っていても税の扱いが更地と近づくということです。

制度の話以外にも、次のような形で負担が積み上がっていきます。

  • 屋根材や外壁が落ちて近隣に被害を与えた場合、所有者の責任が問われます
  • 庭木の越境や害虫の発生で、近隣との関係が悪くなります
  • 傷みが進むほど、貸す・売るのどちらを選んでも前提の工事費が増えます
  • 相続人がさらに次の世代に移ると、合意を取る相手が増えます

時間は、空き家の選択肢を静かに減らしていきます。だからこそ、最初に「いつまでに決めるか」を置くことをおすすめしています。

費用はいつ、どうやって確認するか

費用の相場を一般論で聞いても、自分の家にいくらかかるかは分かりません。地域・建物の構造・家財の量・道路付けで大きく変わるためです。次の順番で、自分の家の数字を集めてください。

  1. 片付け(家財処分)の見積もりを複数社から取る
  2. 貸す・住むを検討するなら、必要な工事の見積もりを取る。全面改修と部分補修の両方で出してもらうと比較できます
  3. 解体を検討するなら、解体業者の見積もりと、自治体の補助制度の要件を確認する
  4. 売却を検討するなら、仲介と買取の両方で査定を取る
  5. 税金・登記費用は、税理士・司法書士に自分のケースで確認する

見積もりは、金額だけでなく「何が含まれていないか」を見てください。処分費別、運搬費別、といった形で後から加算されることがあります。

岡山市・倉敷市の実家について、当社ができること

ここまでは、どこにお住まいでも使える考え方を書いてきました。最後に、当社(満室本舗/株式会社ログリンク)が岡山市・倉敷市で何をしているかを、事実としてお伝えします。

  • 空き家活用について、再生にかかる費用の負担割合が異なる3つのプラン(負担0/50/100)をご用意しています。契約期間は3年〜15年です
  • 賃貸に出す方向で進める場合、プロカメラマンによる物件写真の撮影、物件専用ホームページの制作、募集資料・チラシの制作、SUUMOの上位PR枠への掲載代行を無料で行っています
  • 管理をお任せいただく場合、部屋が決まるまでの管理手数料はいただきません。空室に管理料が発生しない仕組みです
  • 電話は086-250-7130(10:00〜18:00、水・日・祝休)で受け付けています
  • 賃貸住宅管理業は国土交通大臣(1)第001348号、宅建業免許は岡山県知事(1)第5933号の登録事業者です

過去には、岡山市北区津高の築30年・25部屋のRC造アパートで13部屋が空室というご相談から、募集条件の見直しと費用を抑えたリフォーム、写真とホームページの作り直し、ターゲットを絞った内装の変更を行い、6か月で満室になった例があります(※結果は物件の立地・状態・時期により異なり、同じ成果をお約束するものではありません)。実家を貸す方向で検討される場合も、考え方は同じで、まず「なぜ決まらないのか」を先に見ます。

どの方向に進めるか迷っている段階でも、当社の空室長期化リスク診断(質問に答えるだけ・無料。当社が運営するサービスへのご案内です)から、状況の整理を始めていただけます。

よくある質問

実家が空き家になって、まず最初にやるべきことは何ですか
建物と土地の名義を確認することです。固定資産税の納税通知書や、法務局で取得できる登記事項証明書で所有者が分かります。名義が亡くなった親のままだと、売ることも正式に貸すことも進められません。あわせて、相続人が誰と誰になるかを家族で共有し、結論を出す時期の目安と、それまで誰が家の様子を見に行くかを決めておくと、その後の話が進みやすくなります。
空き家を解体して更地にすると、固定資産税は上がりますか
住宅が建っている土地には地方税法第349条の3の2による住宅用地の特例があり、固定資産税の課税標準が軽減されています。建物を取り壊すとこの特例の対象外になるため、土地の税負担の計算が変わります。具体的な税額は土地の評価額や自治体によって異なるため、解体を検討する段階で、その土地がある市区町村の窓口や税理士に確認してください。
傷んだ空き家をそのまま放置すると、法律上どうなりますか
2023年12月13日に施行された改正空家等対策の推進に関する特別措置法により、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある状態の空き家は「管理不全空家等」と位置づけられました。市区町村から指導を受け、改善されずに勧告に至った場合、その敷地は住宅用地の特例の対象から除外されます(国土交通省の同法改正の公表資料による)。屋根材の落下などで近隣に被害が出た場合は、所有者の責任が問われることもあります。
実家を貸すか売るかは、何を基準に決めればよいですか
立地に賃貸需要があるか、貸せる状態にするまでの費用を家賃収入で何年かけて回収できるか、この2点が判断の軸になります。周辺で同じくらいの広さの戸建て賃貸がどんな条件で募集されているかを調べ、必要な工事の見積もりを取ったうえで、年間の手残りで工事費を割ってみてください。遠方で通えない、相続人が複数いて現金で分けたいという事情があるなら、売却のほうが現実的です。
使い道が決まるまで、空き家はどう維持すればよいですか
月に1回程度、窓を開けて換気し、すべての蛇口とトイレを流して排水口の封水を保ちます。あわせて郵便物の回収、庭木と雑草の手入れ、屋根や外壁の目視確認を行い、写真を残しておくと状態の変化が分かります。電気と水道は、この作業のために残しておくと動きやすくなります。遠方で通えない場合は、有料の空き家管理サービスに依頼する方法もあります。

株式会社ログリンク 代表取締役 菅雅俊
株式会社ログリンク
代表取締役
菅 雅俊KAN MASATOSHI
「空室・空き家を、満室に。」
宅地建物取引士賃貸経営管理士土地家屋調査士測量士FP3級
岡山市・倉敷市で空室対策に特化した賃貸管理サービス「満室本舗」を運営。国土交通省の賃貸住宅管理業登録事業者(国土交通大臣(1)第001348号)として、プロカメラマンによる物件撮影や物件専用ホームページの制作など、オーナー様第一の空室対策で早期満室化を支援している。
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