実家じまいの費用|片付け・解体・売却の目安を知る
実家じまいの費用は「片付け・解体・売却」の3つに分かれます

親が住まなくなった実家をどうするか考えるとき、多くの方が最初につまずくのが「結局いくらかかるのか分からない」という点です。実家じまいの費用は、大きく分けて片付け(家財処分)・解体・売却時の諸費用の3つに整理できます。まずはこの3分類で全体像をつかむことが、判断の第一歩になります。
そして、この3つをすべて実行するとは限りません。建物の状態や立地によっては、解体せずに貸す、あるいは建物付きのまま売るほうが手元に残るお金が多くなることもあります。当社は岡山市・倉敷市で賃貸管理と空き家活用を行っており、解体を決める前に「貸せるかどうか」を一度確認されるオーナー様が少なくありません。
- 費用は「片付け」「解体」「売却の諸費用」の3つに分けて考える
- 3つ全部が必ず発生するわけではなく、選ぶ出口で変わる
- 解体は一度やると元に戻せないため、最後に判断する
- 相続登記が済んでいないと、売ることも貸すこともできない
- 見積もりは必ず複数社から取り、内訳まで確認する
費用の全体像を一覧で確認する
それぞれの費用がどのタイミングで発生し、どの出口を選ぶと必要になるのかを整理すると次のようになります。金額は物件の広さ・構造・立地・残置物の量で大きく変わるため、ここでは「何にお金がかかるか」の把握を目的にご覧ください。
| 費目 | 発生するタイミング | 売却する場合 | 貸す場合 |
|---|---|---|---|
| 家財の片付け・処分 | 着手直後 | 必要 | 必要 |
| ハウスクリーニング | 片付け後 | 物件により必要 | 必要 |
| 相続登記(名義変更) | 売買・賃貸の前 | 必要 | 必要 |
| 建物の解体 | 更地渡しの場合 | 条件により必要 | 不要 |
| リフォーム・修繕 | 募集前/販売前 | 物件により必要 | 必要になりやすい |
| 仲介手数料・印紙代など | 契約時 | 必要 | 賃貸仲介の条件による |
| 固定資産税・維持費 | 保有している間ずっと | 売るまで継続 | 継続(家賃で相殺を狙う) |
実家じまいの費用は「いくらかかるか」より「どの出口を選ぶといくら必要か」で考えると、判断がぶれにくくなります。
片付け・家財処分の費用はどう決まるのか
実家じまいで最初に必要になり、そして多くの方が想定より高いと感じるのが家財の片付け費用です。片付け費用は主に「荷物の量」「作業人数と日数」「搬出のしやすさ」「処分品の種類」で決まります。同じ広さの家でも、荷物が詰まっているかどうかで金額が大きく変わります。
費用が上がりやすい条件
- 家具・布団・衣類が各部屋に残っていて、仕分けから依頼する
- 物置・納屋・庭に屋外の残置物がある
- 前面道路が狭くトラックを横付けできない
- 2階以上からの搬出で階段作業が発生する
- エアコン・冷蔵庫・テレビなど家電リサイクル法の対象品がある
- 仏壇・神棚など、供養の手配が必要なものがある
費用を抑えるためにできること
- 自分たちで運び出せる衣類・書類・小物を先に減らしておく
- 自治体の粗大ごみ収集で出せるものは、期日に余裕をもって出す
- 買取に回せる家具・工具・骨董などがあれば、処分前に査定を受ける
- 2〜3社に現地を見てもらい、内訳の書かれた見積もりを取る
- 作業日を急がない旨を伝え、業者の空き日程に合わせられるか相談する
ここで注意したいのが、重要書類を捨ててしまうことです。権利証(登記識別情報)、建築確認済証や検査済証、増改築の記録、境界の書類、保険証券などは、売るときにも貸すときにも必要になる場面があります。片付けを始める前に、これらを探して別に保管しておいてください。
また、相続人が複数いる場合は、片付けに着手する前に「誰が何をもらうか」「費用を誰がどう負担するか」を話しておくことをおすすめします。処分してから揉めると取り返しがつきません。
解体費用はいくらか、そして解体前に必ず確認したいこと
解体費用は、建物の構造(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)、延床面積、道路付けや隣家との距離、アスベストの有無、庭木やブロック塀などの附属物の量で変わります。重機が入れない狭い道路では手作業の割合が増え、費用が上がる傾向があります。金額を知りたい場合は、必ず現地を見た上での見積もりを複数社から取ってください。ネット上の坪単価の数字だけで判断すると、実際の見積もりと開きが出ることがあります。
解体の見積もりで見るべき項目
- 建物本体の解体費と、廃棄物の処分費が分かれて書かれているか
- ブロック塀・門扉・庭石・樹木・カーポートなど附属物が含まれているか
- 残置物の撤去が含まれるのか、別料金なのか
- アスベスト調査と、含有時の除去費用の扱い
- 近隣への挨拶・養生・道路使用許可などの諸経費
- 整地の仕上げレベル(砕石敷き・土のままなど)
解体前に確認したい3つのこと
解体は一度実行すると元に戻せません。着工前に次の3点は必ず確認してください。
- 更地にすると固定資産税の住宅用地の特例が外れる可能性があります。建物を取り壊すと土地の税額が変わる場合があるため、所在地の市町村の資産税担当窓口で自分の土地がどうなるか確認しておくと安心です。
- 再建築ができる土地かどうかを確認します。接道の条件を満たさない土地では、解体後に新しい建物を建てられない場合があります。この場合、更地にしても買い手が付きにくくなります。
- 自治体の解体補助金が使えないかを調べます。多くの制度は着工前の申請が条件で、着工後に申請しても対象外になります。探し方と申請の流れは、当社の記事空き家の解体の補助金|自治体制度の探し方と申請手順がわかるにまとめています。補助金の金額や要件は年度で変わるため、必ずお住まいの自治体の公式ページで最新の内容をご確認ください。
解体は「やるかどうか」を最後に決める工程で、片付けや査定より先に発注してはいけません。
売却にかかる費用と、名義変更を先に済ませる理由
実家を売る場合、売却代金がそのまま手元に入るわけではありません。仲介手数料、売買契約書の印紙代、抵当権が残っていればその抹消登記費用、測量が必要なら測量費、そして譲渡益が出た場合の税金が関わってきます。手取りを試算するときは、これらを差し引いて考えてください。
売却時に発生する主な費用
- 仲介手数料(宅地建物取引業法で上限が定められています)
- 売買契約書に貼る印紙代
- 抵当権抹消などの登記費用と、司法書士への報酬
- 境界が不明確な場合の測量・境界確定の費用
- 引き渡し条件によっては、残置物撤去やクリーニングの費用
相続登記は売買・賃貸の前提になります
亡くなった親の名義のままでは、売ることも貸すこともできません。相続による名義変更には登録免許税と、依頼する場合は司法書士報酬がかかります。相続登記は法改正により申請が義務化されており、放置すると過料の対象になり得ます。費用の考え方は当社の記事不動産の名義変更の費用|相続・贈与・売買で比べるで整理しています。
なお、相続人が複数いる場合の分け方、特例が使えるかどうか、税額がいくらになるかといった個別の判断は、税理士・司法書士・弁護士といった専門家にご相談ください。当社は宅地建物取引業者・賃貸住宅管理業者であり、個別の税務・登記の判断はいたしかねます。売却や賃貸という不動産としての選択肢の部分でお力になれます。
「解体して売る」と決める前に、貸すという選択肢を残す
実家じまいの相談で最も多い誤解が、「古いから解体して更地にするしかない」という思い込みです。実際には、建物を残したまま賃貸に出す、あるいは建物付きで売るほうが、支出を抑えられる場合があります。解体費という大きな支出をゼロにできる可能性があるのが、貸すという選択肢の一番の価値です。
貸す選択肢を検討する価値がある実家の条件
- 雨漏り・シロアリ被害・傾きといった構造に関わる不具合がない
- 駅・スーパー・学校・病院など生活の拠点に近い
- 駐車スペースが確保できる(地方では特に重要です)
- 再建築が難しい土地で、更地にすると使い道が限られる
- すぐに現金化する必要がなく、当面持ち続けられる
貸す場合に必要になる費用
貸す場合は、入居者が住める状態にするための費用がかかります。ただし、全面改修が必要とは限りません。当社は空室対策として、全面改修ではなく塗装や部品交換を中心にした、費用対効果を優先するリフォーム提案を行っています。考え方はアパートリフォームの費用対効果|空室は塗装と部品交換で狙うでご紹介しています。
- 家財の撤去とハウスクリーニング
- 水回り・給湯器・電気設備など、生活に直結する箇所の点検と補修
- 入居者の目線で気になる箇所(汚れ・臭い・傷み)の手当て
- 募集用の写真撮影と、物件情報の整備
当社では岡山市・倉敷市を対応エリアとして、プロカメラマンによる建築用カメラでの物件写真撮影、物件専用ホームページの制作、SUUMOの上位PR枠への掲載代行、募集資料・チラシの制作を、いずれも管理をお任せいただくオーナー様には無料でご提供しています。また、部屋が決まるまで管理手数料をいただかない仕組みにしているため、空室のあいだにオーナー様が管理料を負担することはありません。
実際に、他社から「家賃を下げるしかない」と言われていた長期空室の物件で、プロによる写真撮影と物件専用ホームページの制作を行った結果、反響が増えて1か月で満室になった事例があります。※結果は物件の立地・状態により異なります。
空き家をどう活用するかの選び方は、当社のサービス紹介を含む記事岡山の空き家活用の方法|費用と期間から選び方を決めるで、費用と期間の観点から整理しています。
実家じまいを進める順番

費用を無駄にしないためには、進める順番が重要です。特に、解体と大きなリフォームは後回しにしてください。先に発注すると、あとから「その工事は不要だった」と分かっても取り返せません。
失敗を避ける進め方
- 権利関係を確認する。登記簿で名義人を確認し、相続人が誰かを整理します。必要なら司法書士に相談します。
- 相続人のあいだで方針と費用負担を話し合います。ここを飛ばすと後で必ず揉めます。
- 重要書類を探して保管します。権利証、建築確認関係、境界の書類、保険証券などです。
- 家財を片付けます。買取に回せるものは処分前に査定を受けます。
- 建物の状態を確認します。雨漏り・傾き・シロアリなど構造に関わる不具合の有無を見ます。
- 「売る場合の想定価格」と「貸す場合の想定家賃・必要な工事費」を並べて比較します。
- 比較した上で出口を決め、そこで初めて解体やリフォームを発注します。
- 解体・リフォームの発注は最後。順番を変えると費用が戻らない
- 片付け前に権利証・建築確認関係の書類を確保する
- 売る場合と貸す場合を必ず並べて比較してから決める
- 補助金は着工前申請が原則。着工後は対象外になりやすい
- 費用負担は相続人のあいだで先に決めておく
実家じまいには決まった正解がありません。売ったほうがよい実家もあれば、貸したほうが結果的に負担が軽い実家もあります。大切なのは、費用の内訳を把握したうえで、複数の出口を比べて自分で納得して決めることです。もし岡山市・倉敷市の実家で「貸すという選択肢もあり得るのか」を確かめたい場合は、当社(満室本舗/株式会社ログリンク)にご相談いただければ、賃貸として募集できる状態か、どの程度の手当てが必要かをお伝えします。電話は086-250-7130(10:00〜18:00・水日祝休)で受け付けています。
実家じまいの費用は誰が負担するのですか
建物を解体して更地にすると固定資産税は上がりますか
古い実家でも賃貸に出せますか
解体の補助金はいつ申請すればよいですか
親名義のままの実家を売ることはできますか
