ブログ
2024年8月22日

空き家の有効活用 ①はじめに

日本の深刻な空き家問題

現在、日本では空き家が深刻な社会問題となっています。都市部から地方まで、全国各地で増加し続ける空き家は、個人の問題に留まらず、社会全体に影響を及ぼしています。実際、10人に1人が空き家の所有者となっている現状は、もはやこの問題が「他人事」ではなく、誰にとっても身近な問題であることを示しています。

令和5年度の国の調査によると、全国の総住宅数に対する空き家数は900万戸に達しました。この数字は、2018年の849万戸と比較して51万戸の増加を示しており、空き家率も**13.8%**と過去最高を記録しています。このような急増は、人口減少や高齢化、地方から都市への人口移動、相続された住宅の管理不備など、様々な要因が重なった結果です。

さらに、空き家が増加することで、地域社会や経済にも多大な影響を与えることが懸念されています。特に、放置された空き家は犯罪の温床となり、地域の治安を悪化させる原因にもなりかねません。したがって、この問題に対して早期に対応することが、個々の生活の質を向上させ、地域全体の安全と活力を保つためにも重要です。

空き家がもたらす問題とは?

空き家を放置することで、様々な深刻な問題が発生します。以下では、空き家が引き起こす代表的な問題について詳しく説明します。

①近隣からの苦情対応(ゴミの不法投棄、害虫の発生、動物(虫)の巣、雑草などの繁殖)
 ケース1:シロアリやネズミの発生による隣家への被害駆除費用 25万円
 ケース2:蜂の巣が出来たことによる業者駆除費用 3万円
 ケース3:雑草処理・植栽剪定費用 年2回12万円

②倒壊や落下物による通行人、近隣への被害
 ケース1:外壁材落下により小学生男児に直撃による死亡事故、損害額約5600万
 ケース2:倒壊による隣人が死亡した例では、損害額約2億1000万

③維持管理等にかかるコスト
 ケース1:固定資産税の支払い 概算年10万円
 ケース2:火災保険(空き家の為割高) 概算年12万円
 ケース3:行政から特定空き家と指定 固定資産税が6倍(税制優遇制度の廃止)

新制度「管理不全空き家」とは?

空き家問題に対する国の取り組みとして、2023年に管理不全空き家制度が導入されました。この制度は、従来の「特定空き家」に加え、新たに管理が不十分な空き家を対象とし、これらの物件に対しても厳格な管理を求めるものです。この制度の導入により、従来は管理されていなかった空き家も固定資産税の減額措置の解除対象となり、空き家所有者には適切な管理が強く求められるようになりました。

この新制度の背景には、管理不全な空き家が地域社会に与える悪影響が大きいことがあります。適切な管理が行われない空き家は、地域の安全性や景観を損ない、住環境の質を低下させる要因となります。こうした状況を防ぐために、政府は管理不全空き家に対する規制を強化し、空き家問題の早期解決を目指しています。

空き家を有効活用する重要性

空き家を放置することで生じるリスクやコストは、所有者にとって大きな負担となります。このため、空き家をどのように有効活用するかが非常に重要です。適切に管理された空き家は、負の遺産である「負動産」から、収益を生む「富動産」へと変わる可能性を秘めています。

私たち満室本舗は、空き家を有効活用するための様々なソリューションを提供し、所有者の皆様が負担を軽減しながら資産価値を最大限に引き出せるようサポートしています。例えば、リノベーションを通じて賃貸物件として活用する方法や、地域のニーズに応じた新しい用途への転換など、空き家のポテンシャルを引き出すための提案を行っています。

これからの時代、空き家をどのように活用していくかは、個人の資産運用だけでなく、地域社会全体の発展にも大きく関わってきます。空き家を放置するリスクを最小限に抑え、有効活用するための知識と行動が、これからの不動産管理において重要な要素となるでしょう。

私たちの専門知識と経験が、空き家問題の解決に貢献できることを願っています。次回の記事では、具体的な空き家の悩みを解決する方法や、皆様が自らの空き家をどのように活用できるかを考える一助となる情報をお届けします。ぜひお楽しみにしてください。